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キヨラビ誕生物語

ついに製造販売許可!

翌年2月13日。忘れもしません、あのときの光景は。
最初は必死に思いとどまらせようとしていたあの保健所の方が、下りた許可証を持ってわざわざ車をとばして来てくれたのです。
ドアを開けるなり許可証を両手に掲げて、
「出たよ!出たよ~!!普通は郵送するんだけど、普通は郵送するんだけど・・・」
と息を弾ませ、満面の笑みでした。
お化けではなく、許可がでたんですが・・・お化けがでるよりビックリのことだったのかもしれません(笑)。何も知らない初老のおばちゃん二人が、無謀にも水関係の会社を始める!保健所の方には不幸な坂を転がり落ちるおばちゃんたちの映像しか見えなかったはずです。最初はそんな姿は見たくもなかったでしょう。でもしぶとい!(笑)。何を言っても、何度言ってもあきらめない。前しか見ていない。いつしか彼も何とかしてあげたいと思ってくれるようになっていたのです。最初の渋い顔からは、同じ人とは思えないような笑顔。
その夜はさすがに涙が出ました。
感謝の涙です。ありとあらゆることに・・・。

平成21年2月13日 製造販売を許可されました。

齢50数年生きていれば、人は一人で生きているわけではないということぐらいは知っています。助けられたり助けたり。でもこれほど実感したことはありません。感謝という言葉だってよく使ってはいました。でもしみじみと感謝ということの本当の意味というか、その心根が分かった気がしました。
どんなにお金儲けしたって、偉くなったからって分かることではありません。幸せというものがどういうことかも心の底から感じたのです。
助け合える身内や仲間がいる。一緒に泣き笑い、お互いに絶対に裏切らないという確信の持てる仲間がいる。心の底からありがとうと思う。そしてありがとうと言える。言ってもらえる。これ以上の幸せがあるでしょうか。


これを書いているとき、平成28年熊本地震が起きました。この世の終わりが来たかと思うほどでした。
でもこのときも仲間がいるからまったく不安がなかったのです。社員にもその家族にも幸い怪我もなく、全員無事だったからではあるのですが、すぐに一致団結しました。
3階の事務所はまさしく足の踏み場もない有様。パソコンは床に落ち、棚や書類、あらゆるものが散乱し、10トン以上もある機械がずれ動き、ベルトコンベアは倒れたりずれたり、いつ復帰できるか見当もつきませんでした。
社員の多くもライフラインが断絶し、車中泊をしていたりと、悲惨な状況でありながらも会社に駆けつけ、復旧作業。そんな状況でも笑いが絶えません。私の自宅のブロック塀が道路に崩れ落ち、その処理にもすぐに10人近い社員が駆けつけてくれました。

前を向くこと、あきらめないこと、明るく立ち向かうこと。いつの間にか私たちの唯一の取り柄が社員に感染してしまったようです(笑)。
今社員は40名ほどになりました。販売許可が下りて9年目を迎えました。札束をカッコよく出した従弟は自分で事業を始め活躍しています。それ以外は誰一人会社を辞めていません。

これまでに関わった多くの方々に教えられたことです。助け合って、思い合って、お互い幸せになれるように心を配れば、自然と明るい未来が見えてくる。希望があれば頑張れる。家族を大切にし、仲間がいれば、どんなことも乗り越えられる。

多くの人に助けられここまで来ました。でも販売の許可が下りたからといって、売れるわけではありません。やっとスタートラインに立てたというだけです。
スタートを切った私たちが、さあこれからどうなるか?!

誕生物語 最終回 第三章 こうご期待!!(笑)

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